轟音事変

轟音は"ごうおん"と発音してください。

令和5年10月22日執行の「宮城県議会議員選挙」について書きました

こちらの記事はFacebook向けに書いたので、超ニッチな内容なんですけど、せっかくなのでこっちにも転載しておきます。というわけで、以下本文。

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今回はもうすでにはじまっている「宮城県議会選挙」について書いていきます。単に私が私のために調べたことをみなさんにもシェアするぜ!って精神なので、基本的に石巻・牡鹿地区のみの言及になる点はご了承ください。が、部分的な思考法は参考になるかもなーとか思うので、選挙に行くのを迷っている人なんかはぜひ読んで参考にしてもらえればなーと思います。

▼「1票」のイメージ
まず私なりの1票のイメージを共有しておきますね。まず宮城県の予算は年間予算1兆円で、対して今回の有権者数はおおよそ200万人です。単純に割ると、一人あたり50万円になります。県議会というのはこの予算を決める場所になるため、その議席を選ぶということは「私たちに割り振られた50万円をどこに分配するか?」を決めることだといえます。つまり、あなたが仮に選挙に行かない選択をするならば、あなたの50万円の権利は他の人に分配されるってことですね。それで、仮にですが高齢層が選挙に行き、若年層が選挙に行かなければどうなるかって、そりゃ高齢層が分配したい場所にお金が流れるに決まってるよねって構図です。

投票率は意味があるのか?
でもさー、人口ボリューム的に若年層が少ないのだから投票しても意味なくない?という意見も内なる私から聞こえてきたのですが、昨今騒がせている「統一教会」の問題を見るに、数パーセントの投票率でも『無視できない存在』になることはできると思うんですよね。統一教会の信者数は全国で精々60万人程度らしいので、その程度の囲い込みですら、これだけ気を使うので仮に若年層の投票率が1%上がるだけでも『気を使う』くらいにはなるだろうねって思いはします。

▼誰を選ぶのか?
さて、選挙自体の意味はそんくらいにしといて、本論の宮城県議会選挙です。誰を選ぶかはいろんな基準があると思うんですが、私は「当落線」にいる人にいれた方が1票の価値が高まるかなと思っています。確実に当選する人ってのはいるので、まずはその人を除外してみます。逆足切りですね。

▼まずは候補者を並べてみます。
・佐々木きぞう
・三浦一敏
・さとうゆういち
・坂下賢
・本木忠一
・はしうら清紀

↑この6人で4議席を争います。数的には選びやすいですね。

▼続いて前回の投票順にしてみます
-- 11000票 --------------
・本木忠一
-- 9000票 --------------
・佐々木きぞう
-- 8000票 --------------
・三浦一敏
・坂下賢
-- 新人 --------------
・さとうゆういち
・はしうら清紀

↑正確には前回は無投票なので、前々回を参照しています。過去の結果からみてもまず本木さんは硬そうなのでここで除外します。残りの5人は過去の投票数を見ても、かなり接戦になりそうです。この5人から選んでいきます。

▼何を基準にするか?
いろんな基準と優先順位があると思います。

・党で決める
・政策で決める
・年齢で決める
・結果で決める
・発信力で決める

この辺は個々人が決めればよいと思いますが、私はまずそもそも、その方がどのような方なのか?を確認するために発信力を確認します。

▼発信力チェック
・さとうゆういち:公式サイト+SNSでの発信
・佐々木きぞう:SNSでの発信
・三浦一敏:SNSでの発信
・はしうら清紀:公式サイト
・坂下賢:公式サイト

情報がない人はここで脱落と考えていましたがとりあえず発信はみなさんされてるようなので次にいきます。全然絞れないけど大丈夫かな…。

選挙公報を見てみよう
https://www.pref.miyagi.jp/documents/48980/06isinomakiosikakouhou.pdf

↑こんな感じ。だいたい昨今の物価高対策とか子育て支援とか「普遍的に支持されるテーマ」はみんなが謳っているので、それ以外の個性が見えそうなところをちょっとまとめてみます。

・佐々木きぞう(74歳)自由民主党
    ・コピー:佐々木きぞうだから、わかる、できる。継続は力なり-私にやらせて下さい!
    ・キーワード:水産資源の適切な管理とニーズ対応
    ・WEB:https://www.facebook.com/kizou.ishinomaki/

・三浦一敏(73歳)日本共産党
    ・コピー:強引な村井知事にキッパリとモノを言う
    ・キーワード:反村井、女川原発再稼働反対
    ・WEB:https://www.facebook.com/p/%E4%B8%89%E6%B5%A6%E4%B8%80%E6%95%8F-100011149537610/

・さとうゆういち(44歳)日本維新の会
    ・コピー:世代交代石巻市・女川町に維新の風を!
    ・キーワード:石巻新庄道路、旭山公園活用、消防団、反ワクチン
    ・WEB:https://sato-yuichi.com/

・坂下賢(61歳)立憲民主党
    ・コピー:新時代「みやぎ」の創造
    ・キーワード:石巻への日本語学校誘致、釜谷大須雄勝線の整備、仙石線・仙石東北ラインの短縮
    ・WEB:http://sakashita-ken.com/

・はしうら清紀(59歳)無所属(公認ではないが自由民主党所属)
    ・コピー:挑戦 誠実・実行 生活を守る
    ・キーワード:教員の多忙化解消
    ・WEB:https://k-hashiura.com/

↑こんな感じですかねー。こうしてみると"違い"があることはわかります。
現状の県政(村井さんの政策)を支持するならきぞうさん、反対なら三浦さん、若さと独自キーワードにひっかかるならさとうゆういちさん、バランス重視なら坂下さん、学校関係なら元教員のはしうらさんって感じですかねー。冒頭で書いた通り、自分が予算分配するならこの人がいいなーって人をこの辺を参考に選べばいいんじゃないかなと思います。

ここでは私が誰に投票するかは書きませんが、さまざまな要素を考慮し、私は決めることができました。

▼好き勝手に予想をすると…
本木さんは過去の選挙戦を見ても当選濃厚。他の5人は接戦になるはず。三浦さんは共産、坂下さんはこの地域で国政を取っている立憲なのでわりと安定はしていそう。とはいえ、市政では立憲が落ちてはいるので十分危うさはある。そして、基本的に選挙は現職が有利なので、新人の特にはしうらさんは厳しいはず。さとうゆういちさんも新人だが、維新所属な点がポイント。先日の仙台市議選の結果もあり、維新に勢いはあり、実際に石巻地域でもポスターの掲示を見る機会が増えている気がするので、善戦する気はする。一方で今回、実質自民が二人になっているため、票を食い合うことになり、きぞうさんは苦戦すると思われる。って感じかな。目立って自民が強くはない地域で、実質自民候補を二人出してしまったのはかなり致命的なんじゃないかなーと思いますが、どうなんですかね。蓋を開けてみないとわかりませんが。

▼なぜ投票が難しいのか?
さて、最後にこの記事を書きながら考えたことをずらずらとまとめておきます。
やっぱりね、選挙で投票するってマジで難しいなって思いました。何が難しいかというと、現代的な価値観として「多様なものを受け入れていこうね」という『多様性』と、そこに起因する「〜することができる」の『肯定性』が伸びている社会にわれわれは生きていると思うんですよ。『こうすべき』とかもっと直接的に『それは誤りである』と言い切ることは難しい時代ともいえ、選挙で誰かを選ぶ時にも、一見すると反対だが、その側の視点で観ると『そうともいえるよね』となりうるような、見方や視点が強まってるんじゃないかなと私自身の感覚で見てもそう感じています。違うともいえるし、違くないともいえる時代。だから、選挙のように決断(一つに絞る作業)を伴う行為は時代性と相性が悪く、その結果、投票を回避する人も多くのなるのは当然ではないかなーと思ったりしています。
そのような時代性もあり、ちゃんと考えて決めるには莫大なコストもかかります。そもそもこうした判断にはある程度の人文知を必要とすると思いますが、一方で人文知なんてコストカットがされやすい分野なので、ますますその力は衰えるのではないか…などと考えると、時代性も合わさって、ますます政治と市民の距離は離れるのだろうなとも思います。
一方で、普通に生活しているとまったく気づかないだろうけど、私たちの生活に政治はめちゃくちゃ関わっていて、例えば当たり前に走ってる「道路」なんて税金の塊なわけですよ。なんか無料で使ってる気になってるけど、そうじゃあないんですよね。その予算を決めるのが今回の県議選だったりするわけですが、そのように実は誰もがその影響を受けており、その重要性自体は当然ですが変わらないわけです。つまり、重要性は変わらないのに選びづらさが強化された構造になっているなと思っています。いやー難しいですね。
そのような状況を打破するには、現状の方法を採用する前提ならば根幹的には選べる能力を養ったり、補助する機能を強化することが必要なのかなと思うし、そうではないなら、めちゃくちゃ難易度が高いと思うけど、方法自体を変える必要もあるんじゃないかなーと思います。

というわけで、現状ではマジで投票は難しいのだが、めちゃくちゃ重要なことは変わりはないので、まずはこの記事を読んで少しでも投票所行ってみるかーとなれば幸いです。

こちらからは以上です!
あとは各自よろしくー。