轟音事変

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2021年石巻市長選挙展望

このブログを見ている人にはあまり関係がないとは思うが記録の意味合いも含め、今日はまもなく実施される石巻市長選について書いていきたい。

www.city.ishinomaki.lg.jp

これまでの石巻市長、亀山紘氏の現役引退により今回は全員新人。自民系から2人出馬し、保守分裂の要素も含む、見どころのある選挙戦になっている。

前回の市長選(2017年)は、

https://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/40101000/6997/290423shicyou.pdf

有権者数123,918人に対し54,911人が投票、投票率は44.31%、28,630票を獲得した亀山紘氏(3期目)が当選を果たした。ちなみに2位は今回の市長選に立候補を表明している阿部和芳氏で12,408票。つまり現職だった亀山紘氏が圧勝した選挙戦になった。

さて、ここからは今回の候補者5名に対する私見を書いていく。

長純一(54)
石巻市包括ケアセンター長。震災後の石巻の医療体制を整えてきたが、権限がないとこれ以上は進めることは難しいと判断し立候補。医療福祉分野を伸ばすという目的があり、掲げているメッセージは明確。ジェンダーバランスに対する意識も発言から読み取れ、全体的にリベラルな雰囲気が漂う。経済面での施策は気になる部分ではあるものの、医療全フリで医療介護分野を伸ばした先にすべてがつながるという発想は面白い。

chojunichi.com

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https://i-jc.net/wp-content/uploads/2021/04/manifest__chojunichi.pdf

 

齋藤正美(66)
前県議。自民、立憲の推薦を獲得、現職の亀山紘氏も後継に指名。組織票が集まることは明らかで、現状ではもっとも当選に近い。特に投票率が低ければ齋藤氏が有利になるだろう。掲げた政策も手堅く、ベテランらしい選挙の戦い方で、とにかくマイナスがないように気を配っている様子が見られる。しかし、討論会でのほぼ台本通りの発言からも伝わる通り、掲げた政策の理解や自身の深い考え方に関してはまったく見えない点は気がかりだ。

saitou-masami.sakura.ne.jp

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https://i-jc.net/wp-content/uploads/2021/04/manifest__saitomasami.pdf

 

阿部和芳(61)
前市議。市長を目指し、これまでも市長選に出馬を続け、今回こそはという気持ちが強いのではないかと思う。市議を長年経験してきたこともあり、齋藤氏同様に掲げる政策は手堅く、選挙の戦い方も慣れたものを感じる。だからこそ、齋藤氏との差別化が難しいように見える。ベテラン政治家タイプという括りでいえばカテゴリーは近く、齋藤氏との差別化がポイントになるだろう。

kazuyoshiabe.net

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https://i-jc.net/wp-content/uploads/2021/04/manifest__abekazuyoshi.pdf

 

勝沼栄明(46)
衆議院議員(自民)。もっとも若く、医師であり、そして前衆議院議員というステータスだけで判断すれば一番有利な気はする勝沼氏。本人に会ったことはないが頭がよく、状況を理解した上で流れに乗ることがうまい、バランス力に長けた人なのではないかと思う。市長になっても議会や市役所上層部ともうまく折り合いをつけてやれそうなイメージは持てる。しかし、勝沼氏には強く気になる点がある。それは医師等資格確認検索で該当しない点だ。

licenseif.mhlw.go.jp

↑このサイトで医師免許の所持者を検索できるのだが、勝沼栄明氏の名前ではひっかからない(ちなみに長純一氏は出てくる)。可能性として登録名が違うか、もしくは2年に1度の届け出(医師法第6条にて義務化されてる)を怠っているかのいずれか。過去の記録からさすがに無免許ということはなさそうだが、仮にも国政経験があり市長選に出馬する方がこの辺の届け出に隙を見せるのは、IRの件同様に脇の甘さを感じる。

katsunuma-shigeaki.com

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https://i-jc.net/wp-content/uploads/2021/04/manifest__katsunumasigeaki.pdf

 

豊沢幸四郎(59)
豊沢氏に関しては掲げている政策と討論会での発言内容を踏まえて、あえて論じる点はないと判断。note.com

https://i-jc.net/wp-content/uploads/2021/04/manifest__toyosawakoshiro.pdf

 

というわけで、5人の候補者について一通り書いてみた。医療分野を強化したいなら長氏、路線継続なら齋藤氏、政治家タイプで革新を望むなら阿部氏、若者よりでフットワークの軽さを望むなら勝沼氏といったところか。

現状では齋藤氏が有利な展開だと思うが、個人的には市長になることが目的ではなく手段として明確に捉えている長氏を推したい。

投票日は4月25日。
さて、どうなるか。