轟音事変

轟音は"ごうおん"と発音してください。

フィジーク初出場を通して学んだこと

フィジークに関する情報はネットや書籍など様々出ているが、トップ選手の解説や成功事例が多い。だからこそ、大会に初出場したばかりの初心者フィジーカー目線でのリアルな情報は貴重ではないかと考え、ここにまとめて共有しておきたい。

大会に出場した目的

これまでも書いてきたが、私が筋トレを続けている理由は「日々の幸福度を上げるため」にある。適度な運動は自分にとって必要不可欠な行為であり、身体が鍛えられていい肉体になることはあくまで結果になる。マッチョになるためにトレーニングを重ねているわけではなく、結果的にマッチョに近づいている感覚だ。
その上で、筋トレを続けるためにはモチベーションの維持が重要。モチベーションを保つためには目標を持った方がよい。目標に向かってトレーニングをした方が同じ1時間でも意識が変わるはず。そのような仮説を立て、そこでフィジーク大会出場を目標に据えることを思いついたのである。大会出場はわかりやすい目標設定になる。
つまり、大会に出場し、勝利を命題にするわけではなく、出場することがそもそもの目的になる。出場することで日々のトレーニングが充実し、幸福度の向上を狙うことが本質的に重要だと考えている。

大会に向けての戦略決め

とはいえだ。大会に出るからにはそれ相応の身体を目指す必要性は出てくる。どうせ出場するならばやれることはやっておきたいし、その意識の向上こそが狙いになる。では、相応の身体とはどのような身体なのか?をまずは考える必要がある。出場を希望する団体にもよるが、自分が出場したJBBFの場合は審査基準が明文化されている。以下に引用したい。

肉体的な観点

審査員は、選手のトータルパッケージをみることから開始して、最初に頭から始めて下へと進んでいき、全体像を把握した上で肌の色艶およびヘアースタイル、顔だちや表情にも考慮する。全体のコンディションと個々の筋肉が丸く形の良いバランスのとれたつき方をしているかを重視する。
仕上がりは厳しくあるべきだが、過度に発達した筋肉や絞り過ぎは、メンズフィジークの選手には好ましくなく、減点の対象となる。マッスルをフレックスし過ぎたり、過度に体を誇張することも減点の対象となる。

ステージマナーと人格

審査員は、選手のステージ態度に落ち着きと品の良さがあるかにも注目し、その人柄が観客に伝わり、ステージ上で自信を持ってパフォーマンスをしているかをみなければならない。ウォーキングやターンの動作また、ポーズを決めたときにスポーツマンらしい清々しさが表現できているかも重要な要素となる。選手は、常にスポーツマンシップとアマチュア精神にのっとったステージマナーに徹しなければならない。


2016オールジャパンメンズフィジーク・ルール

https://www.jbbf.jp/download/rule/201603c_Mens_Physique_Rule.pdf

 もう少し具体的に解説をすると、フィジークは履いているウェアからわかる通り、サーファー的な肉体を意識している。つまり海で映えるスタイルが目指す姿になる。筋肉量も重要な要素になるが、基本的には逆三角形で絞り込んだ肉体が重要視される。特に絞り込んだ体は評価の前提となっているため、外すことができない。

減量段階に入れば筋量を増やすことは難しく、いかに筋量を残しながら期限内に絞り込めるかが鍵になってくる。そのために必要なことは自分の仕上がり体重を見極め、そこから逆算して減量計画を立てることにある。先に書いておくが、初心者が陥りやすい罠はここにあるといえる。なぜなら自分の仕上がり体重が正確にはわからないからだ。

自分の場合はインボディで現在の体脂肪を算出。一般的な出場目安といわれる体脂肪率5%未満を目標にし、そこから必要な減量幅を決めた。減量計画を定めたら、後はこなすのみである。

大会までの道のり

減量初期~中盤(1月~5月)

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※2021年2月2日時点の数値。

減量は1月1日から始めた。体重は87.3キロ。残念ながらこの段階でのインボディは取り忘れており、体脂肪率は推測だが20%程だと考えられる。これまでもダイエット目的の減量はたびたび行っており、慣れはあった。そのため今回も初期から中盤は順調に進んでいった。減量のため空腹感はあるものの、停滞などもなく問題も感じていない。

減量終盤(6月~7月)

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※2021年6月1日時点の数値。

6月の段階で体脂肪率が8.8%まで落ちる。この時期からさらに絞り込むため減量計画の厳格化を実施。ほぼ決まったメニューのみを食べ、量もきっちり測る。日々の記録を見ると、その6月から空腹感が強い日が増え、しんどさも増していることがわかる。使用重量も落ち気味になる。6月28日から有酸素を取り入れ、さらに負荷を強めていく。7月に入ると、空腹感に加えて、疲労感が抜けない日が続く。気温が高い日には脱水気味になったため、塩分の量も意識し始める。

減量末期(8月)

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※2021年8月11日時点の数値。

腰周りの脂肪の落ち具合が遅いと感じたため、7月中盤からさらに負荷を厳しくし、8月に入ってからはやれることはすべて実践した。休みなしのワークアウト、超時間の有酸素運動、そして切り詰めた食事管理などである。8月以降はトレーニングも本当にしんどく、日常生活もまともに機能せず、特に夜は家に帰って何もできずにフラフラと寝る日々が続いた。身体は5割程度しか機能せず、飢餓感が強い。しかも、これだけのことをしているにもかかわらず体重の落ちは明らかに停滞し、落ちない。落ちないから負荷を強める、それでも落ちないを繰り返した。そして、何よりしんどかったのは、それでも間に合わないことがわかったことと、間に合わないのに出てもよいのかどうか…という不安感を抱えていたことだ。ふと冷静になる瞬間があり、本来は勝つことが目的ではないのだから、ベストを尽くすことだけを考えることが重要だと捉えなおし、日々を乗り切る。

大会当日の記録

mikamikami.hatenablog.com

↑当日の様子は別記事にまとめたのでこちらを参照のこと。やり切った実感はあったため、達成感はあった。マネジメントサイクルを回すという意味でも実行することは非常に意味がある。今後を考える上でも有用だったと思う。というわけで、今後に向けての学習を次に記す。

大会出場を経た上での今後の改善点

仕上がり体重の見直し

今回のプロジェクトにおいて最大の修正点は仕上がり体重の見積りの甘さだといえる。そもそもインボディを参照すること自体が誤りかもしれないが、初回に関しては目安が欲しい。その場合は機械で算出された脂肪量を0にすることを目標にスケジュールを組むと、ちょうどよいのではないかと思う。体脂肪3%とかではなく、(実際は不可能だが)体脂肪0%を目指すスケジュールくらいがちょうどいいはず。一度ある程度絞り込めば次回の推測は容易になる。

減量計画の見直し

減量終盤から落ち具合が変わってくる点が重要。感覚的には1kgの脂肪に対し序盤と比較して3倍の労力がかかる。つまり、同じ労力で序盤は月3キロ落ちるところが、同じことをしても月1キロになる。この点を考慮すると、減量ペースを等分ペースにするのではなく、序盤を早めて、終盤を緩くするスピードが望ましい。例えば5カ月で10キロ落とす場合、月に2キロではなく、3キロ→2.5キロ→2キロ→1.5キロ→1キロといったペース。最後の月で3キロ落とす場合はかなり厳しい。最後を楽に仕上げるためにも最初のペースがむしろ重要。

増量計画の見直し

減量幅が大きくなればなるほど減量の負担が大きくなる。そもそも普段から余計な脂肪をつけなければスムーズに減量ができるため、増量期だとしても脂肪をつけないペースが望ましい。大会前の減量幅は最大でも10キロ未満に抑えたい。

レーニング内容の見直し

減量期間は決まったメニューをこなすことで精一杯だったため、今後は色々と種目や方法を試していきたい。狙いは短期間+ハイボリューム。また、腹筋があまりにも弱いため、腹筋種目を都度こなす。他にも絞ったことで(より)弱い部分が明確になったため、全身をくまなく鍛えながら弱い部分を強化する意識を持って取り組む。

食事の見直し

糖質源、タンパク源など自分に合う食材を探す。そしてリフィードなども取り入れながら、体に負担がかからない食事方法を模索していきたい。また0キロカロリー系の食品もこれまで触ってこなかったがそうした食品も取り入れ、ストレスなく過ごせる方法を見つけたい。特に減量終盤は非常に無理をしており、心身ともに摩耗。幸福度の向上とは真逆の本末転倒な事態に陥っていたため、次回は必ず避ける。そのための引き出しを通常時に試行しながら多く確保しておきたい。

ポージングの見直し

今回の大会に関してはポージングをしっかり練習する余裕がなかった。それなりに見える程度に練習はしたおかげで、それっぽくは見えたが全然甘い。特にサイドポーズ。技術的にサイドポーズの難易度が高いと感じたため、サイドを中心に練度を上げる必要がある。そしてポージング練習は減量末期に近づけば近づくほど余裕がなくなり確保する時間が取れない可能性があるため、早めに取り組むとベター。

大会に出るにあたり役立ったもの

肉体改造のピラミッド(栄養編)

 摂取する栄養に関してはこちらの書籍が非常に役立った。減量、増量、そしてコンテストに向けたピーキングまで掲載されている。世の中にボディメイクの情報は溢れているが、エビデンスに基づいたこちらの一冊は教科書として使える。まずはこちらの本に従い、試してから自分なりの方法を模索していくことが近道だといえる。特にコンテストのピーキングに関してもこちらの本に習い実践したが、ベターだった実感がある(ベストかどうかは経験を積まないと判断ができない)。コンテスト後の過ごし方なども詳細に描かれているためイメージが作りやすい。イメージができると人は行動につなげることができる。コンテストが終わった今も重要度が高い一冊。パーソナルなどに頼らず、独学で進める人は現状でマストな資料だと言える。

ポージング関係

ポージングに関してはさまざまな選手がポイントを解説しているが、いろいろみた中でわかりやすかったのが@katochan33の動画。katochanさんは普段のトレーニング動画も非常にわかりやすい解説をされており、好感度が高いためそもそもおすすめできる。他には、湯浅さんに習うきんにくんの動画、さらにテキストではカイトさんの文章がまとまりがあると感じた(全文は有料)。重要な点は大体共通している。要素を抑えつつ、実践を通して一連の動作をまずは覚える。そして細かい部分を調整していく流れになると思う。ただポージングに関しては自分で判断が難しい部分もあり、本来はパーソナルを受ける方法がベストではある。

youtu.be

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kaitosawahara.com

サーフパンツ選び

初心者からするとサーフパンツはどんなもので、どこで買えばいいのかもわからない。そんな困ったときに助かったのがカイトさんのページ。結論はサーフパンツの規定は自由、サイズ感がもっとも重要。ただしパンツのブランドに関してはトレンドがあるようで、カイトさんのページではハーレー推奨だが、最近はDarc Sport、Chula wear、Alphaleteあたりが人気らしい。

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会場に持参した方がいいと思ったもの

・ヨガマット
大会当日の過ごし方を解説しているページも複数確認したが、ヨガマットはいる派といらない派がいるようだった。おそらく会場(控え室)によるのだと思うが、床に座るパターンの場合はあった方がいいと思った。かさ張るなら大きめのバスタオルでもいい。自分はモンベルのアウトトドア座布団も持参したがこれも地味に役立った。

その他

日焼けに関して

ジムにタンニングマシンがあったため、それを活用。マシンのみの日焼けで出場したが平均的な色合いで問題はなかったと思う。ただ、マシンの場合は結果的に時間と費用がかかる傾向にあると思う。そのためコスパを考えれば下地をマシンで作った上でサロン利用がベストな組み合わせだとは思う。サロンはサロンで制約もあるため、タンニングローションもあり。

当日のパンプアップ

プッシュアップバーとチューブを持参。他の選手もこの2つを持参する人が多かったように見えた。チューブに関しては事前にジムで試せたこともあり、以下のものを購入した。問題なく使えたため、おすすめできる。ただし、他の選手も似たようなものを持参する人が多かったため、自分のものとわかるタグなどを付けるとよりよい。

最後に

これからの出場を考えている方に言えることは、可能であればパーソナルをつける方法が確実だといえる。特にコンテスト経験が豊富なトレーナーならここに書いたことは事前に指導してくれるはず。一方で自分のように独学で何でも自分でやってみないと気が済まない!という方はこのページの情報は役立つ部分があるのではないかと思う。

改めて学習内容をまとめたことで、出場することにより得られた成果は十分にあったと感じる。他の選手とならびステージに立つ経験を積むことで、イメージが具体的に持てるようになった点は特に大きい。目線を保つことができるため、トレーニングのやり込み方や意識はすでに向上されたように感じる。またステージに立つ機会があるならばより改善された状態で出場ができるように、引き続き地道にトレーニングを続けていきたい。