轟音事変

轟音は"ごうおん"と発音してください。

フィジーク初出場の振り返り

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先日、JBBF主催のフィジーク宮城大会に出場をしてきた。
初出場して感じたことを記録的にまとめていきたい。

前日まで

大会当日は土曜、水曜に本格的なトレーニングを終え、木曜日はパンプアップトレーニングとカーボアップ、金曜日はポージング練習とカーボアップに費やす。水曜まではふらふらだったが、カーボを取ってからはいくぶんマシになる。

当日のコンディション

初めてのカーボアップだったが、多少の効果はあったように思う。この日までにやれることはやり切れた実感はある。忘れ物がないように最終確認を行い、会場へ移動。

会場入り

出場した宮城大会は、午前はボディビルの部、午後はフィジークの部に分かれている。集合時間もその辺を考慮して、9時と11時に分かれているのだが、どちらの時間に来ても構わないとのことで9時前に会場入り。
全体に言えることだが、運営はざっくりしており選手控え室は誰でも入れる仕様。とりあえず中に入り、自分の場所を確保する。ギリギリで壁際を取ることに成功。そこが一日を過ごす場所になるため、早めに行き、いい場所を確保することは重要だと感じる。
控え室はただの広いホールで基本は地べたに座る。事前に調べていたため、床にブランケットを広げる。ヨガマット派もいたがそれがベストだとは思う。椅子に座っている人もおり、おいおい椅子派とかいるのかよ!とか思ったのだが、後で聞いたところによると、一番先に会場へ入った選手にのみ、ホールに備えついている椅子の利用が可能だということを伝えられたとのこと。なるほど、ざっくりしている。

控え室にて

まずは場に慣れることが大事。とりあえず周囲を観察する。午前はボディビル選手がほとんどだが、フィジーク選手もそれなりにいる。みんなデカい、黒い、強そう。知り合い同士で話す選手もいるが、全体的には静か。興味深いのは、基本的にみんな上下にウェアを着こみ、肌を露出していない点。控え室は喚起が悪く、熱気がある。その中で脱げばマッチョな人間たちがウェアをまとい、戦いに備えてむやみに肌を晒さない様は独特だと思った。静かな雰囲気の中で互いが様子を伺っているように感じる。

ウェア・オイル・カラーチェック

どうやら運営の準備が遅れておりバタバタしている様子が伝わる。控え室ではスケジュール通りに進むかどうか少しざわっとしている。そうした雰囲気の中でウェア・オイル・カラーチェックが行われた。控え室で運営管理者が呼びかけ、番号順にチェックをする(午前はボディビル選手のみ、フィジーク選手は午後に実施)。チェックはステージに立つ状態、つまりボディビルならビルパンのみの状態でチェックを受けるため、その時に初めて各選手がベールを脱ぐ。ここがかなりの見どころで、ゆったりした服から出てくる凄まじい体に圧倒され、むしろお得な気分にすらなる。控え室全体から視線が集まる瞬間でもあり、全体が熱を帯びていく。

スケジュール通りに進む

結果的に運営スケジュールはきっちりとこなされていったが、スタートがバタバタした影響で選手目線ではどこで準備を進めるのかがかなり難しいと感じる。スケジュール通りなのか、そうではないのか。特にボディビル選手は開始早々にステージに上がるため、準備のタイミングが難しそうではある。舞台袖に呼ばれるタイミングなどを把握する上でも、先に来ておいてよかったと感じる。

コミュニケーション

場の雰囲気にも慣れてきたため、隣に陣取る選手とコミュニケーションを取ってみる。見事に爽やか筋肉マンで安心感があった。全体的に爽やか好青年が多く、競技特性的にもライバルであり同志といった感じのため、距離感が近く話しやすいのではないかと思う。

準備を進める

午前のボディビルが終わり、とうとう自分の出番が近くなる。ウェア・オイル・カラーチェックで周囲に圧倒されるが、自分は自分だと言い聞かせてメンタルを保つ。ボディビルの部で大体の時間把握はできたため、スムーズにストレッチを済ませ、パンプアップの荷物をカバンに詰めて、いざ舞台袖へ。

舞台袖

ステージの舞台袖は思いのほか広く、そして暗い。そこにフィジーク選手が揃い、パンプアップを始める。暗がりの中でかなりの人数が必死にチューブや腕立てを行い必死にコンディションを整えていく。すごい…すごい光景だ!みるみるパンパンになっていく周囲に圧倒されながら、自分も準備を進める。舞台袖では同じカテゴリの選手が事前に並ぶ。狭く距離も近いこともあり、自然とコミュニケーションを取る。本当にみんな爽やかで好青年。気持ちがよいコミュニケーションは試合に対してポジティブな印象を持つ、大きな要素だと感じる。暗い舞台袖からキラキラしたステージが目に入る。いよいよだ。

本番

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一人ひとり名前が呼ばれ、規定の場所へ立つ。照明がかなりまぶしく、観客席が思ったよりも見えない。最前列には審査員が並び「ぎっ」とした視線を感じる。ぎっとしてるな…と思いながら、規定の場所へ。準備したイメージ通りではあったため、ステージ上での緊張感はさほどではない…と言いたいところだが、体はそうではなく、脚が震える。震えるからポージングが乱れる。クォーターターンの後、左右の入れ替え、後ろに下がり、ファーストコール。呼ばれず。呼ばれた選手のバックポーズ中、視線が合うことに気づく。みんな必死にポーズを取ってることが伝わる。セカンドコール、呼ばれず…。人数的にここで呼ばれないということは最下位だということを確信する。再度、腹をくくり、最後までやり切る意識を持ち直す。最後に呼ばれ渾身のマッスルコントロールでポージングを行う。出番が終わり舞台袖へ戻る。疲労感がありながらも充実感もある。並んだ選手たちと握手を交わす。最後まで爽やかな人たちだ。そして一緒に並んだ選手がおもむろに再度、舞台袖で準備をはじめていた。直後のクラシックフィジークに登場するらしい。感服する。

結果発表

舞台袖から荷物を抱え控え室に戻る。予選落ちを確信していたが、事前に立てたスケジュール通りにカーボを摂取。決勝進出者の発表はスムーズ。控え室に戻って10分ほどで発表される。アナウンスと共に、ホワイトボードに名前が張り出される。名前は呼ばれず。初めてのフィジーク大会はこれで終了となった。帰りの身支度を済ませる。

出番終了後

会場に戻り、フィジーク、クラシックフィジークの決勝を観戦する。同じ舞台に立った選手の応援をする。応援といっても、コロナ禍のため声だしは禁止。拍手で声援を送る。決勝以降は予定よりも早く進行が進み、事前スケジュールよりも30分以上前倒しで進んだ。決勝観戦後、帰路につく。事前に予定していた通り、スシローで減量からの開放感、大会を振り返りながら食事を取った。ようやく、長い戦いが終わった。

感想

というわけで、JBBF主催のフィジーク宮城大会に初出場してきた。審査表でも全員が最下位判定、確実な最下位という結果に終わった。この結果に関しては絞り具合から事前に予想はしており、だからこそ出場することをためらう時期もあった。それでも出た方が得られるものは大きいだろうと考え、全力で間に合うように最善は尽くした。最後の方は相当に無理もした。だが、ベストは尽くしたと言い切れる程にはやり切れたと思う。その上で臨んだ試合は想定よりも得られたものが多かったように感じる。百聞は一見に如かず。経験を積めたことは非常に大きな財産になった。結果は褒められたものではない。それでも、試合そのものには選手との交流も含めてポジティブになる要素も多く、出場してよかったと思う。そして次に出場する際のより改善されたイメージを作ることもできた。今後もそのイメージに近づくよう、地道にトレーニングを重ねていきたい。