轟音事変

轟音は"ごうおん"と発音してください。

無知を知る

1日を安定化させるためにリズムを刻むスケジュールを組み立てた結果、副産物のような形で読書習慣を得ることができた。それまでは本は好きだが、読むスピードは遅いため定着は難しいと感じていた。しかし、スケジュールに入れ込み、読み方を学ぶことで、習慣化することに成功した。

ジャンルは自己啓発や経営に関するものが多い。例えば最近ではザ・ゴール、イシューからはじめよ、影響力の武器、7つの習慣ライフシフト、ワークシフト、ドラッカーのマネジメントなどである。最初は何を読むべきかわからず、興味のある分野の中から名著と呼ばれるものを読み漁る方針を取った。

読書をする際、大事にしているのは要点だ。「要点は何か」を常に意識しながら読み、ドッグイアやラインを引き、最後に印をつけた箇所をnotionでまとめるところまでを一式にする。ただ読むだけではなく探しながら読むことで効率化したように思う。

様々な本を読むことで一つわかったことがある。それは自分が自分の興味がある分野ですらもまったく理解が進んでいなかったことだ。すなわち、無知であることを知ったのである。

例えばドラッカーのマネジメント。マネジメントに関する原理原則が書かれており、自分がこれまでぼんやりと見ていたものが理路整然とまとめられており、衝撃を受けた。ドラッカーのマネジメントに関しては一部のみラインを引くどころの話ではなく、すべてを何十回も読まねばならない内容だ。今は毎晩寝る前に読むようにしている。ドラッカーでいえば非営利組織の経営も30年前の本とは思えない示唆的な内容で衝撃的だ。非営利組織関係者は全員が一読すべき本だといえる。

このような本は何も新しい特別なものではなく、基本的なことだ。知っている人からすれば「何をいまさら」な内容だとは思う。しかし、それまで読書習慣がなく目にしたことがなかった人間からするとまさに衝撃的な体験なのである。

かといって学生時代にこうした本を読む気があったのかといえばなかった。機会はあった。しかし読まなかった。経験を積んで蓄積された尺度があるからこそ実感が湧く読み方ができるようになったとはいえる。求めるものがあるからこそ読み進めることができる。そして結果的に自分が無知であることを理解することができた。

振り返れば残念な気持ちはある。もっと早く知ることができればよかったと思わずにはいられない。しかし、ここで気づいたことが前進になると捉えてしばらくは積極的に読書を進めていきたい。