轟音事変

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アグリー・デリシャスが面白い

最近は、隙あらばNetflixでグルメ番組をせっせと見ている。

「ストリート・グルメを求めて」は、その名の通り各国のストリートグルメを掘り下げて紹介している。破天荒な店主が多く、各国の個人店ならではの強烈な個性を感じる。日本では大阪京橋の立ち飲み屋「居酒屋とよ」が紹介されていた。コロナ禍が収まったらぜひ行ってみたい。

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「タコスのすべて」はタコスだけで2シーズン(13話)語り尽くす番組だ。あらゆる種類のタコスが登場する。おそらく日本の感覚としては九州ならとんこつ、北海道は味噌のように地域性があるラーメンに近いと思う。メキシコの中でも、この地域ならこのタコス、このタコスならこの地域だ、のような違いが描かれており、タコスの解像度がどんどん上がる。魚のタコスの回では、どうやら日本の天ぷらから着想を得ているようだといった描写もある。とにかくタコスが食べたくなる番組で、その影響から先日業務スーパーでトルティーヤを買い、タコスを作り、美味しく食べ、そしてまた業務スーパーに行き、冷凍庫にトルティーヤ・戸棚にはサルサソースの在庫がある状態を保っている。

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そして一押しは「アグリーデリシャス」だ。韓国系アメリカ人で有名シェフのデイビッドチャン(通称デイブ)がさまざまな料理と料理に伴う文化を紹介する番組になっている。そもそもデイブが何でも美味しそうに食べるのでまずグルメ番組として魅力的。そしてそれ以上にその料理が持つ背景、文化を多角的に捉えていく構成も興味深い。例えばフライドチキンなら背景に黒人差別の歴史があり、その面を紹介しつつ、一方で白人がその文化を尊重しながら店を開く様子も紹介する。全体を通して、対立軸を描きながらも融和的な視点を持ち、料理で国境や人種の壁を超える試みを表現している。デイブをはじめ出演者がみんな素直に意見を言い合う点もとてもよい。

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いずれの番組でも共通していえることだが、映像としてのクオリティも非常に高い。膨大な取材内容や演出をコンパクトに見せていくテンポの良さがあり、グイグイ引き込まれて飽きずに見ることができる。

他にも沢山のグルメ番組がまだまだ残っており、せっせと見続ける日々が続く。