高齢化に対する石巻での取り組み
昨日は月に一度の石巻復興未来会議の日だった。
未来会議は石巻の各分野で活動する人々が集い、現状や今後の展開を共有できる会だ。会だ、などと言っているが実は主催者は自分でその辺の経緯などはまた別のエントリーにでも書き記そうと思う。
さて昨日の場でも注目のトピックが目白押しだったが、その中でも1つ書いておこうと思うものがある。それが石巻の高齢化社会に対する取り組みについてだ。
今日のホットエントリーにて、
"いま失敗すれば、日本終了。"
http://rootport.hateblo.jp/entry/2015/05/13/004054
↑こんな記事が掲載されており、はてブも含めて興味深い発言が並んでいる。書いている通り、現状は厳しく、今後はさらに厳しい状況に置かれていくは間違いない。それを踏まえた上で、では実際に現場を見ている人はどのように考えているのか、違った視点からこの問題に触れていこうと思う。
話を聞くことができたのは石巻の病院に務める、
横山翼さん
http://tsubasayokoyama.com/
だ。
彼は震災後石巻に来た理学療法士でリハビリを専門に精力的に活動している。
彼の発言をまとめると、
"今の石巻は医療関係者は慢性的に不足している。5割増しは必要。特に医師は足りていない。雄勝や牡鹿といった半島は更に足りていない。すでに高齢者と支える世代のバランスは悪い。"
"こうした現状から今後は高齢者が高齢者を支えていく方法を取るしかない。近隣同士がつながり、その場に専門職の人間がいなくとも常に近所の人同士で状態を把握しておく必要がある。そのために地域でリーダーとなる人間を育成し、地域ごとで管理できる仕組みにしていく。そのリーダーの発掘、育成も今後の流れに組み込んでいる"
と、こんな感じで、いわゆる「互助」をいかに伸ばすかが重要な点だ。
具体的には、
"「おらほの家」被災高齢者集い笑顔・石巻"
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201412/20141222_13014.html
"互助組織 地域へ恩返し(4月 牡鹿半島・小渕浜)"
http://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/feature/CO004108/20140421-OYTAT50037.html
↑このような地域の活動に結びついている。
こうした活動を通し、住民同士を今まで以上につなげて互助を機能させる仕組みを構築しているわけだ。これでどの程度医療費や医師不足が緩和されるかはわからないが(今度聞いてみよう)互助を機能することにより、よい影響がでることは確かだろう。
ちなみに上2つの活動の裏には横山さんと同じように、震災後石巻に来た作業療法士である野津裕二郎さんの動きが大きい。野津さんとは面識がある程度で、深く議論を交わしたことはないが彼の情熱や想いは時折流れてくるfacebookの投稿からも十分に読み取ることができる。
震災後の石巻ではこうした外部から来た若手の医療関係者が精力的に活動しており、
"Okai"
http://tsunagarinokai312.wix.com/okaidetsunagarou#!our_story/c1se
https://www.facebook.com/groups/159349570906632/
↑このような、地元も含めた医療関係者の連携を(リアルも含めて)積極的に行っている。
この辺の仕組みもかなり機能しているようで、連携が深まりこの地域の医療に関しよい影響がでているようだ。
というわけで、ホットエントリーで考察された内容とは別の視点で高齢化に対する記事を書いた。高齢化問題は全体を通してみればネガティブな話題が多いが、こうした現場での取り組みはポジティブな要素になるはずだ。無論、全てを解決するわけではないが、現場は現場なりに現状を受け止めて動いているということは覚えておきたい。