轟音からその先へ

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石巻で行われたポケモンGOイベントに参加した

昨日、石巻ポケモンGOのイベントがあった。
http://gigazine.net/news/20161112-pokemon-go-ishinomaki/

このイベントに参加したので、そこで見たもの感じたものをささっとまとめておきたい。

まず自分が興味を引いたのは「ポケストップの申請ができる」という点だ。以前少し話題になっていたように、石巻では「記憶のポータル(=ポケストップにも引用されている)」という震災で失われた場所のポケストップがある。記憶のポータルはingressの時から石巻でイベントが度々開催されていて、その成果の賜物といえる。

一番最初の部分は自分も理解していないんだけど、震災後に石巻googleがばーっと支援でやってきて、そこからできた縁がここまでつながっていると認識している。石巻のIT教育団体であるイトナブ( http://itnav.jp/ )の役割も大きい。イトナブがingressの頃からイベントをオーガナイズして実績を積み、もちろん今回のイベントにも協力している。昨日、代表の古山さんと話した感じでは、今回の企画は最初から参加していたわけではなく、宮城県とniantcの話が進んだ段階で協力する流れになったようだ。とその辺の話は置いといて…

それでまあ、「記憶のポータル」が面白い取り組みだから自分もやってみようと思い津波の被害で全壊した建物跡地を申請してきたのだ。

うちは街中からやや離れた所に住んでいるから、車で向かったんだけど、土曜とはいえ街中に進むに連れてどんどん道が渋滞していて、その頃から影響力は感じていた。「まさかなー」って感じだったけど、街中に入るとそこらじゅうにポケモントレーナーが歩いていて、交差点なんかもどこの都会だよ…っていうほどには人がのしのしと歩いていた。人も多ければ、車も多く、渋滞、そして渋滞という状態になっていた。

異常なのは、普段なら人通りがほとんどない(まあ普段ならどの道もそうだけど)ような小道ですら、人がうじゃうじゃ歩いていたこと。何も知らない人からすれば意味がわからないだろうなあ…と思いながら駐車場に車を止めた。

駐車場から歩いてイベント会場となる、中瀬公園に進みながら観察していると、うじゃうじゃと徒歩トレーナーはいるし、自転車で移動するトレーナーもいれば、おそらく車で移動していると思われるトレーナーもいた。とはいえ、うじゃうじゃはしているけど、それが広範囲にびろーんと広がっているような状況だから「祭りのように人が歩けない」といった状態ではまったくなく、感覚としてはターミナル駅の駅前程度だろうか、いやそれよりかはもっと少ないか。くらいの人の流れがあっちこっちで見られた、というような感覚か。

面白いのが会場につくと「そこまで多くの人がいない」という点。いるにはいるし、賑わっている程度には人がいるんだけど、それまで見てきた人の流れを見ると「あっこんなもんか」といった程度。お祭りのように1か所にどばーっといる感じではない。だから会場内の案内なんかも特に混乱はなく、申請も非常にスムーズにできた。ちなみに申請すると記念品がもらえるんだけど、てっきりポケモン関連かと思いきや、「空飛ぶこけしピンバッジ」と「空飛ぶこけしクリアファイル」でおっおぅとリアルになった。そこは宮城県寄りだった。

それで申請が終わったあとに、申請先の写真を指定のアドレスに送るって手順だったから、会場中央のテントで作業をしていた。そこでフジの取材班と日テレの取材班にぶつかり(申請した人に声をかけていた)、少し話をしたり、隣に座ったお兄さんにどっからきたのか聞いてみたりした。

お兄さんは「昨日テレビでイベントを知った。ラプラスが捕まえられるようだから朝一の新幹線できた」と言っていた。ラプラスは人を動かすということがよくわかった。一泊するんですが、どっかいい飯屋はないかと聞かれたので「しんや」と答えておいた。あそこはメニューが楽しいし、何を食べても美味しいから行ったほうがいい。

それで会場内でラプラスが発生し目の前で集団移動を見ることができたり、イベント関係者と話をしたり、コイキング計量大会やタマゴ孵化計量大会の結果発表で会場から温かい拍手が送られている様子にほっこりした気持ちになったり、ピカチューに扮したのりのりの宮城県知事を眺めたり、なんやかんややった。寒かったけど、食べ物ブースもそれなりに用意されていたし、スタッフもそれなりにいたから会場内だけを見ればスムーズにやれていたんじゃないかな。

ただ全体で見ればもちろん悪かった点はあって、特に地元側のタイムラインはほぼ批判的だった。

◆地元側の声(批判派)
「人がうろうろしていて怖い、異様だ」
「歩きスマホが危ない、怖い」
「車が逆走している」
「渋滞がひどい」
「儲かるのは一部だけ」
「画面しか見てないのに観光と言えるのか」

といったものは度々見られた。特に歩きスマホは「特区」と言っても過言ではないような状況に陥っていて、危うさはいたるところであったと思う。石巻の街中は一通が多いので、車で来た人も無茶な運転をしているのを自分も見かけた。

一方で、擁護する意見も少ないけどあって、

◆地元側の声(擁護派)
「普段ほとんど来ない神社に人がたくさん来ていてすごい」
「人がこれだけ来るんだからお店もお金を落としてもらえる方法をもっと考えたい」

といった声もあった。

この辺の自分の意見としては、安全面としては確かに不足があり、改善が必要だとは思う。今回の対策としては各種パンフレットに注意書きがあったり、ピカチューをあしらった注意喚起のチラシが配られていた。しかし街中で実際に注意喚起を行う人は確認できなかったし、会場でもそうしたアナウンスはほとんどなかったように思う。とはいえ、今回は初めての開催で人出がまったく読めなかった事もあると思うし、こうした部分に関しては今後改善されれば良い点だとも思う。

歩きスマホを防止するやり方としては注意喚起をするだけでなく、例えばポケモンGOプラスユーザー専用のサービスを用意して特典をつけるといった事も考えられる。その辺は考えようでもっと色々できそうな気はする。

拒絶する気持ちもわかるが、こういうものに対しては利用できるところはとことん利用してそれでダメならやっぱりダメだねって流れでも良いじゃないのとは思う。最初からとにかく拒絶する文化は、新しいチャレンジをますますしにくくなるだけだし、あんまりいいことではないと思う。石巻市も自分たちで「マンガの街石巻」とか言ってるんだから、親和性が高そうなこういうイベントはがしがし首つっこんで良いんじゃないかな。「今回は県のイベントだから」ってことで市としてはほとんど関わってなかったようだ。

今回がテストイベントだと位置づければ結果的に寒い時期にやれて良かったと思う。これがベストな時期にやれば収集がつかなくなっていただろう。ラプラスの影響が大きいにしろ、今回のイベントである程度の人の出と流れも予測しやすくなったと思うし、この辺のことは運営側も理解はしているので次回があればよりよいものになると思う。

あれだけ街中にびろーんと人が流れる仕組みは面白いなあと思うし、うまく街にも利益が還元できる仕組みが生まれれば素晴らしい。どうせやるなら、そういう取り組みになるといいな。

ちなみに、ガチな人からは「これで石巻ラプラスが本当に沢山いるという情報が知れ渡った。23日までは注意が必要だよ」と教えてくれた。どれだけの変化があるかはわからないが、観察はしておこうと思う。