轟音事変

轟音は"ごうおん"と発音してください。

石巻市の人口推移を理解する

少し前にとある勉強会にて1つ気づいたことがある。
それは他の参加者と比較して、自分は自分が抱えている分野のこともまともに語れていないということだった。そもそも基礎知識も曖昧でその中で話を構築しても基礎自体がしっかりしていないのだから、全体がぼんやりと筋が通っていない構成になってしまう。

基礎知識を得ながらあらゆる自身の考えを文字化して根拠を明確にし整理する必要性を感じたことも、このブログを開設した動機の1つ。どばーとなっている頭の中を少しでも整理をしていく。

さて前置きはその位にしておいて、今回の記事ではそうした観点からまずは自身が今関わっている石巻の人口に関して見ていこうと思う。今回用いたツールは、

地域経済分析システム(RESAS(リーサス))
https://resas.go.jp/#/13/13101

↑これだ。
花火がどどーんとあがっていて、ぱっと見なんだかよくわからないサービスだが、

"内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)及び経済産業省では、産業構造や人口動態、人の流れなどに関する“ビッグデータ”を集約し、可視化するシステムについて、検証を行ってきたところであり、このたび、地方版総合戦略における基本目標・KPIの設定、PDCAサイクルの確立等を支援する「地域経済分析システム(RESAS)」を地方公共団体に提供することといたしました。"

↑こうしたサービスらしい。
http://www.meti.go.jp/press/2015/04/20150421001/20150421001.html

最初は使いづらいけど、慣れてくると段々わかってくる。

さて、それではさっそく石巻の人口推移を見ていこう。

f:id:mikamikami:20150424104130g:plain

https://resas.go.jp/population-composition/#/transition/4/04202/2010/2/8.882643049361842/38.4888376/141.30936165

1985年の186,578人が最大人口で、そこから下降線をたどり2015年現在は149,498人に減少し、2040年には109,021人になることが予測されている。減少率でいえば、過去30年で約20%の減少、現在から向こう25年で28%の減少が予測されている。

総人口の減少が加速される一方で老年人口は2020年の47,060人まで右肩あがりで上昇し、その後なだらかに下降していく。しかし、その老年人口の減少よりも総人口の減少のスピードが早く、結果老年人口の割合が2040年までに38.6%になると予測されている。

生産年齢人口(15歳以上65歳未満)も総人口の推移と比例した関係で、1985年の124,982人が最大、2040年に56,640人を予測している。この表には表示されていないが、この減少率のまま進んだ場合、2050年には生産年齢人口と、老年人口の数が同等もしくは下回ることが予測される。

わかりやすく100人の村に例えてみる。

◆2015年現在
村総人口:100人
年少人口:12人
生産年齢:58人
老年人口:30人

◆2040年
村総人口:72人
年少人口:7人
生産年齢:37人
老年人口:28人

少子高齢化が進んで大変だということはよく聞くが、こうしてきちんと数値を出して具体化すると何が問題なのかがはっきりする。例えば支える世代の負担は向こう25年で単純計算した場合約1.5倍に増加することがわかり、現状のままではいずれ背負いきれなくなる可能性が高い。と書いたものの、現在その世代が背負う金額がいくらで、いくらあれば街が維持できるのか、といった数値はわからないのでその辺はまた調べる必要があるな。

1つ言えるのはこれだけの社会全体の変化はどこかを修正するというよりかは、仕組み全体を変えていく必要があるということは間違いない。総人口減少にともなうコンパクトシティ化、年少人口を増やす方法、生産人口が減ることを想定した上での生産力向上のための施策、老年人口の負担を減らすために寝たきり老人の防止策などもあるだろう。"今ままでと同じやり方"は絶対に通用しないことは明白で、未来を現実的に見つめた上でそれぞれの取り組みを実施していかなければならない。